呼吸

太陽がグラウンドを照らしてる

窓からはブラスバンドの音が遠く聴こえていた

ギターは青いコードを鳴らす

 

空高く上がったボールは

放物線を描いてゴールネットを揺らす

覚えてるのはブザービーターの場面

 

きっと何処か遠く知らない世界

いつかは行けると思ってた

大空を羽ばたく鳥たちのように

もう少し自由に生きられたなら

 

全てを知っているつもりで

空想をキャンパスに描いてた

好きな色や花も

好きな季節や 嫌いなものも

毎週欠かさずに見てるテレビ

そういえば何も知らないや

 

変わらないものなんてないんだろうけど

この胸の痛みは消えてくれないんだ

言葉は少しだけ嘘をつくけど

心は少しだけ嘘をつくけど

大空を羽ばたく鳥たちのように

もう少し自由に生きられたなら

 

帰り道 長い下り坂を

僕は自転車を押して歩く

君の歩幅に合わせる

足音だけが響いて聴こえる

そして僕は呼吸を忘れる

そして僕は呼吸を忘れる